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「邪神金融道」菊地秀行著
「邪神金融道」の感想はこちらにどうぞ
  • クトゥルー@創土社
  • 2012/10/21 (Sun) 18:43:50
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Re: 「邪神金融道」
クトゥルー・ミュトス・ファイルズ第一弾。
とあるサラ金で営業成績ナンバー1の主人公がクトゥルー信者達相手に取り立てを図る、抱腹絶倒のダークファンタジー・コメディにして大バカ・クトゥルー神話の怪傑作!
兎に角、発想が凄まじい。テーマがサラ金とクトゥルーなのだ。星辰来たれりでクトゥルー信者達がルルイエの浮上を図るのだが、時が来れば浮上して来るイメージのルルイエを自然に任せるのではなく都市ぐるみサルベージを図り、その為の資金をあちこちから借りまくり主人公の務める会社からも借りるのだが・・・
ルルイエの日本語表記がラ・リエーとルルイエの二つある事を逆手に取った日本でしか通用しないネタや、ラヴクラフトを読んでいればすぐにそうと判る日本語の固有名詞の連発など完全に遊んでいる。作者がニヤニヤしながら執筆している様子が眼に浮かぶようだ。
サラ金の社長も含めて謎めいた怪しげな人物が多いが彼等の正体が少しずつ判っていく過程で納得したり笑ったり・・・
植草氏の解説で本作をハードボイルドと書かれていたが、ハードボイルドなスタイルであると共に、主人公は作中で「やくざ」と云われる程のワルでもあり、その為、ピカレスク・ロマンの趣きもある。又、主人公がハードボイルドな一方、頑迷な人物であるのも面白く、本人が特撮ファンと云う設定である事もあって、発生する超常現象や深き者、ショゴス等の襲撃をも何かのトリックと考え続け、最後迄クトゥルーの実在を否定しようとし続ける姿勢が、読んでいて楽しい。

最後に・・・この作品は本編だけ読めば良いと云うものではない。帯に記された本作に対する亡きオーガスト・ダーレスのコメントから、数行読んだだけで爆笑する著者自身のあとがきも含め、植草氏の解説以外全てが「邪神金融道」と云う創作なのである。本作を読む際には帯から本編、あとがき迄、出来れば一気に読みのが通すのが良いだろう。
  • ZEPHYROS
  • MAIL
  • 2012/10/25 (Thu) 21:38:01
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邪神金融道を読了して
たのしかったです(*´ω`*)
おれの受け入れて迎撃もしてるのに、そのまま受け流すところがたまらなく素敵で。
自分だったら途中で崩れちゃうなぁ、と。
最後のご主人語りが愛に溢れててもっと沢山見たかった。
鈴木さん佐藤さん大好きです。
ああ、改めて自分の気持ちをまとめることの難しいこと(汗)
あんなふうになってからの、その後のおれも見てみたいです!
  • 紅蝙蝠
  • 2012/11/03 (Sat) 10:54:28
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Re: 「邪神金融道」菊地秀行著
邪神金融道読了、菊地秀行氏のクトゥルー物の小説というと「妖神グルメ」が有名ですが、現在350冊を越える作品群の中で直接ラブクラフトに言及した小説は意外にすくない。

妖神グルメ、その主人公が魔界都市にきた邪神迷宮、YIG美凶神、退魔針、しいていえばダンウィッチの怪をモチーフにした妖戦地帯、邪神の心臓をもつドマくんのシリーズなど。もちろん、空から触手とか、海から触手などそれらしい描写は色々あります。

この邪神金融道ですが、系統からすると、妖神グルメ、短編サラ金から参りましたの系統、本来なら人にはうかがいしれない動機で動いているはずの邪神達ですが、借金を媒体にして、貸した返さないの話に始まって、スケールは別にしてまことに人間的な理由で動いているのが面白い。まるで近所の中小企業の社長が金策しているようで、オリハルコンやら輝くトラペゾヘドロンまで質草にしてしまう。

主人公が特撮マニアで目の前で超常現象が起きてもすべて作り物だと思って信じない設定も特撮映画の小ネタをちりばめれていて楽しいです。基本は「インスマウスの影」と「ダンウィッチの怪」でしょうから、そちらも読んでみると名前のモジリなど更に楽しめると思います。


菊地秀行は本家取りがうまいと言われて、うまいことをいうものだと、ご自分でおっしゃってましたが、人の設定でもそれをもっと面白く書くんだから別に文句をいわれることもないだろうと思っておられるのかな。

で、「これがクトゥルー神話か!?」「それがどうした?」という帯の文句に集約されるわけですね。

機会がありましたら、本当に恐山に行ってオーガスト・ダーレスの霊を降ろしてきたのか聞いてみたいものです。
  • リュウキ
  • 2012/11/04 (Sun) 15:18:42
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Re: 「邪神金融道」菊地秀行著
うーん、まぁ、面白かったといえば面白かった。
ただ、この作者のこの手の作品は「妖神グルメ」で頂を極めてしまっていると思う。かなり大雑把に分類すれば本書は「妖神グルメ」に近いジャンルだと思うので、個人的には本書から新奇な何かを感じることはできなかった。
オレは血も凍るような戦慄のクトゥルー神話が読みたかった。今後のシリーズ展開に期待します。
  • 有味 風
  • 2012/11/04 (Sun) 20:37:47
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召喚の沙汰も金次第?
 神様復活させようにも人間社会で活動していく以上、先立つものが必要になります。
 これが日々の日常活動ならともかく、滅多に無い星辰での召喚の儀ともなればなにをか言わんや。
 必死で金策に奔走する教団。踏み倒されまいと追いかける借金取り。追いかけっこの幕開けです。
 特筆すべきは主人公である借金取りさんでしょう。常に成功するSANチェックと、常に失敗するアイデアロールを武器に教団の方々を追い詰めていきます。あ、でも頭が悪いということじゃないので、そこのところだけはお間違えなく。
 小説本編とは関係ありませんがTRPG版において、目星に常に失敗して何が起こっているのか全く把握できない私とこの主人公、どちらがキーパー的には酷いのか、暫く考えてしまいました。閑話休題。
 主人公の趣味が明らかになる中盤以降、アイデアロール失敗の表現がどんどん豊かになり、次にどんな解釈が飛び出すか本筋よりも気になる始末。これはこれで理性の勝利、なんでしょうか?
 陰々鬱々とした物になりがちな神話作品群に対し、そういう部分に容赦なく突っ込みをいれ、ある時は流してしまうことで、軽妙な物語が成り立ってしまっています。そういう話であることは予想できていたものの、見事に斜め上を行かれてしまった感が大きい。特に最後の落ちは、笑いが暫く収まりませんでした。金の貸し借り不和の基、といいますが、お金っておっかねーですね(マテ
 
 と、まぁ、自分のブログの記事をやや弄って投稿でした。多少なりともこれで本に興味を持ってもらえれば幸いです。
  • ノフ
  • URL
  • 2012/11/21 (Wed) 21:54:50
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Re: 「邪神金融道」菊地秀行著
正直、最初にこの本を書店で見かけたとき、菊地秀行のクトゥルーものという以外、何も惹かれるものはありませんでした。今でも何故買ったのか謎です。ちらっと見たところ、書評サイトでもあまり高い評価は付いていないように感じましたが、これが読んでみたら意外と面白い一冊でした。やっぱりこの人は一人称が合ってる気がする。トレジャーハンターシリーズも面白いし。

 さてこの本ですが、タイトルにもあるようにクトゥルーものではあるんですが、いつもの菊地氏の通り、まっとうな切り口ではありません。金融道と書かれていることからも類推できるかも知れませんが、街金が絡んできます。クトゥルーと街金? となるかも知れませんが、とりあえず読んでみてください。面白いですから。ただここで一つ注意点が。事前にある程度のクトゥルー神話の知識を入れておくことをおすすめします。そうすると各所にちりばめられた小ネタ類まで漏らさず楽しめます。逆に言うとクトゥルー神話を知らないと、ちょっとわかりづらいかも知れません。

 これがクトゥルー神話化と聞かれると少々疑問ではあるんですが、菊地氏のファンでクトゥルーが好きなら読んで損はない一冊です。
  • 龍牙
  • URL
  • 2013/04/26 (Fri) 14:59:06
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フィット感抜群
妖神グルメと同じ態かと思いきや新作。
邪神と金融道てどんだけ食い合わせ悪いと思いきや微妙な(奇妙な?)さじ加減でミックス。
私のクトゥルー師匠(勝手に認定)だけあり、神々の名も一番しっくりくる。
とにもかくにも作者が完全にノリノリで楽しんでることが目いっぱい伝わってくる。

巨乳ばっかだし。
  • ふーわっく
  • 2013/05/14 (Tue) 08:30:53
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Re: 「邪神金融道」菊地秀行著
 創土社クトゥルー・ミュトス・ファイルズの記念すべき第1冊は菊地秀行先生作の『邪神金融道』であった。帯には「Th...This is supposed to be the Cthulhu Mythos!? (こ、これがクトゥルー神話か!?)」と故オーガスト・ダーレスのありがたいお言葉が書かれている。作者の「あとがき」によれば、この「推薦文」は恐山でダーレスの霊を降ろしてゲラを読んでもらったときに貰ったものなのだそうだ。ダーレスが日本語を読めた、という事実だけでもきっと凄いことだ。

 「あとがき」にはまた、「本書は私しか書けっこない、世界でいちばんユニークな「クトゥルー神話」である。」と書かれている。これは肯定せざるを得ない。作者往年の名作『妖神グルメ』と並んで異色かつ正統なクトゥルー神話の双璧なのだ。大体、クトゥルーを腹が減って動けず、金がないから復活できない哀れな邪神だったと看破したのは菊地先生の偉大な成果であり、ダーレスにもできなかったことだろう。

 『邪神金融道』は作者のペダンチックな趣味が横溢する一編でもある。HPLのオリジナル作品から、これでもかこれでもかと本歌取りされた要素が数多く登場する。旧支配者も眷族もオールスターキャストで登場するので、元ネタがわかる読者には楽しくて楽しくて仕方が無いだろう。きっと元ネタがすべてわかる方はあの難しすぎる「クトゥルフ○定」なんて楽勝だろう(私は3級を落ちたほどで元ネタなんて全然わからないのだが)。

 そして登場するクトゥルー要素は作中に展開させた途端に怪しさこそ倍増しているが、逆にバタ臭さがすっかり取れ、なぜか菊地ワールドにローカライズされて馴染んでしまっている。これこそ菊地先生独特の「間」と「惚け味」の作用であり、作者の「あとがき」にも書かれている「品の良いユーモアに忍ばせてある華麗な仕掛けや、心地良い隠し味」の賜物なのだろう。

 『邪神金融道』の感想を書くつもりで、「あとがき」の感想になってしまった。菊地先生の本は「あとがき」に至るまで全てが作品なのだ。
  • モリアーチー
  • URL
  • 2014/01/10 (Fri) 13:56:35
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